板橋区の潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)専門外来
当院では、豊島病院や東京医科歯科大学医学部附属病院などで潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんの診療を担当してきた院長の堀田が、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD) 専門外来として患者さん一人一人に最適な治療を提供します。
炎症性腸疾患(IBD)とは?
腸に炎症を生じる疾患は数多く存在しますが、その中でも潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis; UC)とクローン病(Crohn’s disease; CD)は、炎症性腸疾患と呼ばれています。
このふたつの疾患は異なる病気であり治療法にも違いがありますが、主な症状が腹痛・下痢・血便など多くの共通点があります。どちらも原因はまだはっきりとはわかっていませんが、炎症性腸疾患の研究が進んだ現在、自己を守るための免疫機構に生じた問題によって腸やそこに共存している腸内細菌が攻撃されることが関与していると考えられています。
潰瘍性大腸炎とクローン病は近年、患者数が増加傾向にあり、比較的若年層の発症が多いという特徴を持っています。どちらも厚生労働省の指定難病となっており、2014年度の特定疾患医療受給者証所持者数では潰瘍性大腸炎170,781人、クローン病40,885人と報告されています。
潰瘍性大腸炎について
大腸の広範囲に病変を生じる原因不明のびまん性非特異性炎症で、主に粘膜の浅い炎症である「びらん」や深い欠損の潰瘍を形成します。大腸粘膜の病変は直腸から連続的に広がって大腸全域に及ぶこともあります。腹痛と下痢の症状を起こすことが多く、血便を伴うこともあります。
特徴
- 直腸から病変が連続的に広がる
- 炎症が生じるのは原則的に大腸のみ
- 炎症の特徴は連続性と表層性
- 瘻孔・狭窄を生じない
クローン病について
クローン病では口から肛門まで消化管全体に病変が生じる可能性があり、非連続性の炎症や潰瘍は粘膜表面だけでなく腸壁全体に及ぶこともあります。潰瘍が悪化すると、腸から他の臓器や皮膚まで管状の穴がつながってしまう瘻孔、腸の通過障害や腸閉塞を起こす狭窄を生じることもあります。消化管の中でも発症が多い部位は小腸であり、特に回腸へ炎症を起こすことが多くなっています。肛門部病変を生じることもあり、痔瘻からクローン病が発見されることもあります。主な症状は、腹痛、下痢、血便です。
特徴
- 消化管全域に炎症を起こす可能性がある
- 病変が多い部位は、小腸・大腸・肛門
- 炎症の特徴は非連続性・全層性
- 瘻孔・狭窄を生じることがある
IBD患者さんが納得のいく治療選択を
IBDは長く付き合っていく疾患であることから、患者さんやご家族のご意向やライフスタイルなどに合わせた納得感のある治療選択が重要と考えています。
院長の堀田はこれまで東京医科歯科大学医学部付属病院や豊島病院で数多くのIBD患者さんの治療に従事してきたことに加え、アメリカミシガン大学病院でIBDの研究にも携わってきました。
従事国内や海外も踏まえた各薬剤に対する科学的エビデンスや学会等におけるIBD専門の医師の治療選択などの情報も共有しつつも、患者さんのその時々の状況や悩み、ライフスタイルに合わせた最適な治療を、患者さんと一緒に選択していきます。
日本炎症性腸疾患学会 指導医を持つ医師が担当いたします
当院で提供可能な主な薬物治療
当院では軽症から重症まで幅広いIBD患者さんの治療に対応しています。
現在当院で行っている主な薬物治療は以下となります。
- 5-ASA経口剤:ペンタサ ® 顆粒/錠、アサコール ® 錠、サラゾピリン ® 錠、リアルダ ® 錠
- 5-ASA 注腸剤:ペンタサ ® 注腸
- 5-ASA 坐剤:ペンタサ ® 坐剤、サラゾピリン ® 坐剤
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ステロイド経口剤:プレドニン ®、プレドニゾロン ®
- ステロイド注腸剤:プレドネマ ® 注腸、ステロネマ ® 注腸
- ブデソニド注腸フォーム剤:レクタブル ® 注腸フォーム
- ステロイド坐剤:リンデロン ® 坐剤
- アザチオプリン:イムラン ®・アザニン ® など
- 6-MP:ロイケリン ®
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JAK阻害薬:ゼルヤンツ ®、ジセレカ ®、リンヴォック ®
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インテグリン阻害薬:カログラ ®
- インフリキシマブ点滴静注:レミケード ®
- アダリムマブ皮下注射:ヒュミラ ®
- ゴリムマブ皮下注射:シンポニー ®
- ウステキヌマブ点滴静注・皮下注射:ステラーラ ®
- トファシチニブ経口:ゼルヤンツ ®
- ベドリズマブ点滴静注:エンタイビオ ®
レミケードなどの点滴に関してもクリニック内で敷居のある個室空間で安心して投与を受けることが可能です。
不安や悩みをしっかり解消
また大学病院とは異なりゆったりとした環境で不安や悩みを院長に相談できるのがクリニックならではの良さだと考えています。患者さんにとって大切な治療を納得感を持って選択することをサポートします。
鎮静剤を利用した苦痛の少ない大腸内視鏡検査
IBDでは定期的に大腸内視鏡検査を実施することが一般的です。しかしながら、大腸内視鏡検査で痛みやおなかの張りなどの辛い経験をしたことがある人もいらっしゃると思います。当院では、鎮痛剤や鎮静剤を使用し、うとうと眠くなるような状態で検査を行うことができ、痛みや不快感を和らげることができます。また世界にも普及している日本の内視鏡機器の中心的会社であるオリンパス社製の新鋭のスコープを用いますので、腸管を押して不快感を起こす可能性が低く、スコープ先端にフードを装着することでより短時間での検査を実現しています。