胃がん

概要

概要

胃がんは、胃の壁の内側にある粘膜に発生するがんです。細胞が何らかの原因でがん細胞となり増えていきます。また、がんが次第に大きくなるに連れて、胃の粘膜から粘膜の下層やそのさらにその外側にある層にまでがんが深く進んでいきます。

さらにがんの進行が進むと、胃の近くにある、大腸や膵臓などの臓器にもがんが広がってしまうこともあります。また、がん細胞が血液やリンパ液に乗って、場所が離れた臓器まで移ってしまうこともあります。

また胃がんは早期に発見し治療を開始することができると比較的予後は良いといわれていますが、胃の壁の内側を厚く・硬くしながら進行していくスキルス胃がんは発見が難しく、初期の段階では検査を行っても見逃されることが多いので注意が必要です。

胃がんは男性の方が女性と比べ発症する割合が高いと言われています。50歳ごろから発症割合が高くなります。

胃がんの発症につながるリスク因子としては、飲酒、喫煙、や食生活(野菜や果物の比較、塩分の取りすぎ)などのほかにピロリ菌が最も大きなリスク要因と考えられています。ピロリ菌は食べ物や水を通して体の中に入り胃の粘膜を荒れさせるためがん化が促進されます。

そのため、ピロリ菌感染を発見し、早期に除菌することが胃がんの発症予防に極めて重要と考えられています。

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主な症状

胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどないと言われていますが、主な症状としては、胃の痛み、吐き気、食欲不振、胸やけなどがあります。また、胃がんによる出血によって起こる貧血やタール便(黒い便)が起こることもあります。

しかし、これらの症状は、胃潰瘍や胃炎など他の疾患においても現れる可能性があるため胃がんであることが見過ごされてしまったり、胃炎や胃潰瘍などの治療で内視鏡検査を行った際に胃がんが発見されることもあります。

また、胃がんがさらに進行すると、胃がんにより食事がつかえてしまうことや、体重が減る、嘔吐などの症状が現れることもあります。

診断基準

診断基準

胃内視鏡検査内視鏡を用いて胃の内部を直接見て、がんが疑われる部分(病変)の状況やその場所や深さ、またがんの広がり(範囲)などを調べます。病変の一部を採取して、顕微鏡などで細胞を詳しく確認し、がんかどうか、どのような種類のがんかを確認する病理検査を行う場合もあります。

さらにがんの深さをより詳しく見たり、周囲の臓器やリンパ節への転移を調べたりするため、超音波内視鏡検査やバリウムをのんで、胃の状態や変化を確認するX線検査(バリウム検査)が行われることもあります。

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主な治療

胃がんの治療法には、内視鏡治療、外科的手術、化学療法などがありますが、基本は病変部を切除することになります。

比較的がんの進行が進んでいない場合は、内視鏡治療と呼ばれる胃内視鏡を使った胃の内側からがんを切除する方法が取られます。よって、がんが粘膜下層に達している場合や転移がある可能性がある場合は対象となりません。内視鏡治療は、手術と比べると、がんの切除後も胃が残るため、食生活に対する影響が少ない方法となります。

外科的手術

内視鏡治療によって胃がんの切除が難しい状況では外科的手術が行われます。外科的手術では、がんの状況や場所によって、胃の一部を切り取るのか、すべてを切り取るのか、またどの部分を切り取るのかが異なります。また手術後の合併症も胃のどの部分を切除するかによって異なります。

がんの再発の予防や手術が難しい患者に対して化学療法が行われます。化学療法の選択肢も増えてきており、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬剤も選択肢となります。

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