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プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスの過敏性腸症候群(IBS)への効果は?

[2021.07.27]

執筆: 宮﨑 拓郎(公衆衛生学修士(栄養科学)アメリカ栄養士会所属アメリカ登録栄養士

 

こんにちは。今回は多くの過敏性腸症候群(IBS)患者さんから質問を受けることの多い、「プロバイオティクスとプレバイオティクス」の違いについて改めて紹介するとともに過敏性腸症候群(IBS)に対する科学的エビデンスについても紹介したいと思います。

プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは、ヒトの腸内において、細菌のバランスを改善することによって健康に良い影響を与える微生物のことです。

いわゆる”善玉菌”と呼ばれる乳酸菌やビフィズス菌などが代表的なもので、みなさんも耳にすることが多いと思います。

食品ではヨーグルトや納豆、漬物などの中に含まれています。製品としてはヤクルトなどが有名ですよね。

潰瘍性大腸炎・クローン病などのIBD患者さんに処方されることの多いビオフェルミンやミヤBMなどもプロバイオティクスの一種です。

プレバイオティクス 、シンバイオティクスとは?

一方、プレバイオティクスは、プロバイオティクスのエサとなる食品成分です。プロバイオティクスなどの善玉の腸内細菌がプレバイオティクスを食べることによって増殖し、より健康的な腸内細菌のバランスになります。逆にプレバイオティクス は体にとって有害な細菌を抑制する働きを持つことがあります。

野菜や果物に含まれる食物繊維やオリゴ糖などがプレバイオティクスの代表例です。また最近はサプリメントなどでもプレバイオティクス が販売されていることがあります。

さらにプロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものをシンバイオティクスと言います。

プロバイオティクスとプレバイオティクス が含まれたものの組み合わせもシンバイオティクスと呼べますし、様々なサプリメントも流通しています。

過敏性腸症候群(IBS)に対する科学的エビデンスは?

IBSに対する効果の検証としては食事よりもサプリメントについて盛んに研究が行われています。中でもプロバイオティクスに関しての研究が最も多く行われており、プレバイオティクスの研究も一定数行われています。一方シンバイオティクスについてはまだあまり研究が行われていません。

プロバイオティクスのIBSに対する効果を検証した11本のランダム化比較試験の結果を元にしたシステマティックレビューでは、7つの試験で有意なIBS症状の改善が認められ、特に複数の菌種が含まれたプロバイオティクスや8週以上続けてプロバイオティクスを服用した場合において症状の改善が顕著に認められました(1)。

また、プレバイオティクスのIBSおよび他の機能性腸疾患に対する効果を検証したランダム化比較試験11本の結果を元にしたシステマティックレビューでは、プラセボと比べてプレバイオティクス群で有意な症状の改善は認められませんでした。他方 bifidobacteriaなどの善玉菌の増加が確認されています(2)。

終わりに

腸内環境を整えたい場合に、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が必要となります。

では科学的エビデンスはどうかという点についてサプリメントの研究を見てみると、IBSに対する科学的エビデンスが豊富なのはプロバイオティクスであり、特に複数の菌種が含まれるものや服用期間が長期の場合にIBS症状の改善に関する効果が認められていました。

一方プレバイオティクスについてはIBS症状の改善は認められませんでしたが善玉菌の増加が確認されています。今後はシンバイオティクスのIBSに対する効果の検証も期待されます。

またサプリメントを摂取しなくても、プロバイオティクスやプレバイオティクスは日頃よく目にする食品に多く含まれています。体に合うものがあれば積極的に取り入れてみることも良いかもしれません。

 

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参考文献

1.HF Dale, et al. Probiotics in Irritable Bowel Syndrome: An Up-to-Date Systematic Review. Nutrients. 2019 Sep; 11(9): 2048.

2.  B Wilson, et al. Prebiotics in irritable bowel syndrome and other functional bowel disorders in adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Am J Clin Nutr
. 2019 Apr 1;109(4):1098-1111. 

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