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潰瘍性大腸炎、クローン病(IBD)における生物学的製剤(レミケードR、ヒュミラRなど)の使い分けは?

[2021.10.12]

堀田です。本日はレミケードR、ヒュミラRなどのいわゆる生物学的製剤に関して患者さんからよくいただく質問についてお答えしたいと思います。

1. 生物学的製剤を使うタイミングは?

一般的に生物学的製剤を使うタイミングは、潰瘍性大腸炎だとステロイド抵抗性、ステロイド依存の時があります。時々この判断はそれぞれの医師が勝手に判断しているのでは?と勘違いされる患者さんがいらっしゃいます。もちろんそうではありませんのでご安心ください。

私たち医師は必ず確立された治療指針に沿って判断しています。

その治療指針では次のように説明されています。

①「ステロイド抵抗性」とは、「ステロイド治療開始から1-2週間で効果がない」ことです。

②「ステロイド依存」とは「寛解導入後にステロイドを少しずつ減らしていく途中で病状が悪化する」場合です。

またクローン病はその病状によって初めての治療から使用することも珍しくありません。

2. 生物学的製剤の使い分けは?

抗TNFα製剤に限って説明をすると、潰瘍性大腸炎ではレミケードR、ヒュミラR、シンポニーR、クローン病ではレミケードR、ヒュミラRとそれぞれ選択肢があります。それではその使い分けはどうするのでしょうか?

結論からお伝えすると、それぞれの患者さんの状況に応じて使い分けます。

その際に私たち医師は、患者さんの病状の程度はどうか?チオプリン製剤を一緒に使えるかどうか?点滴なのか自己注射なのか?合併症(同時に既に持っている他の病気)があるのかどうか?など様々な項目を検討して実際に使う薬を決めていきます。

また例えば1つの薬を使い始めて、その後その薬が効かなくなってきた時には、残りの選択肢の薬に変更することも可能です。しかし一般的に、1つ目の薬の効果が落ちてきた時に他の薬に変えると2つ目の薬の効果はあまり期待できないことが多いです。

この原因はまだ明らかになっていませんが、この現象はこれまでの多くの臨床試験で確認されています。

そのため「最初に使う薬をどれにするのか」はとても大切なポイントです。ぜひ皆さんの主治医とよく相談されることをおすすめします。

3. その他の情報

どの生物学的製剤も高額なことで有名ですよね。その原因はいくつか社会的な事情があります。しかし新薬が開発されて実際に使えるようになるまでに製薬会社は数年間かけて、かつその費用が数百億円以上かかることも珍しくないことを考慮すると、いろいろ納得できるところもあります。

そのため外国では高額な治療費を払うことができず、治療を断念せざるを得ない患者さんがいることも事実です。理想的には出来るだけ安価で効果の高い薬を全ての患者さんが使えることですよね。また投与期間が数週間に一回で良いのは、血液中に長期間保持されたりその効果が持続することが開発段階の研究で証明されているからです。

実際に使用する前にはB型肝炎の検査が必要です。HBs抗体陽性の場合には、必要時にはB型肝炎のDNAの値を調べたりすることがありますので、ぜひ主治医の先生からの説明をよく聞いてくださいね。

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