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逆流性食道炎(GERD)に対する特定の食品を取り除く食事療法の効果

[2021.08.03]

執筆: 宮﨑 拓郎(公衆衛生学修士(栄養科学)アメリカ栄養士会所属アメリカ登録栄養士

 

こんにちは。米国登録栄養士の宮﨑です。GERDに対する食事療法の症状改善効果についてはまだ科学的根拠が十分に確立されていないものが多いのですが、研究は粛々と行われています。

今回は、昨年GERDに対する食事療法の効果を検証したイタリアの研究を紹介いたします。

試験の概要と結果

この研究では、100名のGERD患者さんを対象として、初回通院時にGERDの診断、重症度の評価を行うとともに、GERD症状のトリガーとなる食事を避けるように指示し、2週間後に2回目の外来でGERDの診断、重症度評価を行いました。

100名のGERD患者さんのうち85名が特定の食品が症状の引き金になると答えました。食事の中で症状の引き金になると患者さんにこたえられた食品・食事は以下でした。

 

・スパイシーな食べ物(62%)

・チョコレート(55%)

・ピザ(55%)

・トマト(52%)

・揚げ物(52%)

・アルコール類(50%)

・柑橘類(48%)

・ソース(48%)

・コーヒー(41%)

・加工肉や油っぽい食べ物(34%)

 

2週間後のフォローアップ外来の中で、GERDの診断を受けた患者は55名まで減少し、重症度スコアも改善が確認されました。さらに胸やけを報告した患者は、初回通院時の93%から44%まで減少しました。

多くのGERD患者さんが少なくとも1つの症状のトリガーとなる食品・食事を理解しており、その消化器症状のトリガーとなる食品を取り除くことで消化器症状が改善する可能性が示唆されました。

一方で、この試験では、効果を比較するための対照群が設定されておらず、食事以外の症状が改善に寄与した可能性もあるため、トリガーとなる食品を取り除くことがGERD症状を改善すると言い切ることはできません。今後ランダム化比較試験など大規模な研究の実施が期待されます。

おわりに

今回紹介した研究では、症状のトリガーとなる食品・食事を取り除くことの有用性が示唆されました。上述したようにまだ科学的根拠のレベルとしては低いですが、食事起因で症状の発生や悪化を感じている患者さんは、症状のトリガーとなる食品を取り除くことを試してみる価値はあるかもしれません。

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