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潰瘍性大腸炎とクローン病の栄養管理 IBDにおける栄養学の科学的根拠と実践法 書評

[2021.09.22]

今回は、当クリニックの院長の堀田と米国登録栄養士宮﨑が執筆に参加し、2021年3月に講談社より発刊された「潰瘍性大腸炎とクローン病の栄養管理」に対する書評を紹介します。堀田と宮﨑が執筆に参加した書籍は講談社から以下の2冊が発売されています。

潰瘍性大腸炎とクローン病の栄養管理  IBDにおける栄養学の科学的根拠と実践法 (2021年3月発売)

潰瘍性大腸炎・クローン病の今すぐ使える安心レシピ 科学的根拠にもとづく、症状に応じた食事と栄養 (2021年6月発売)

書評をいただきました佐々木雅也先生、本当にありがとうございました。

「潰瘍性大腸炎とクローン病の栄養管理  IBDにおける栄養学の科学的根拠と実践法」杉原他 書評

私が医師となった1980年代、クローン病や潰瘍性大腸炎は稀少難病として専門的な病院で治療される疾患であった。滋賀医科大学附属病院にも、県内外から重症や難治の症例が紹介されてきた。

しかし、当時は、5ASA製剤としてのサラゾピリン、ステロイド剤、そして栄養療法しかない時代である。栄養療法とステロイド剤で十分な効果が得られず、手術を余儀なくされた患者さんの顔は今でも脳裏に浮かぶ。

現在では、インスリキシマブやアダリムマブ、さらにはウステキマブにゴリムマブ、ベドリズマブと、多くの抗体製剤が使用可能となり、炎症性腸疾患の治療法は大きく様変わりした。

しかしながら、未だに根本的な治療法が見いだされていない。すなわち、これらの抗体製剤により炎症性腸疾患患者の自然史は大きく変わったものの、やはりそれだけで解決できる疾患ではなかったのである。

私が医師になった当時に内科治療の中心であった栄養療法は、これら新しい治療薬により、その位置づけは変わったものの、やはり重要な治療法であることに変わりはない。

また、16S rRNAを標的とした解析により、クローン病や潰瘍性大腸炎の病態に腸内細菌叢が深く関わっていることも明らかになってきた。

腸内細菌叢が一つの臓器としての役割を持つと考えられるようになり、腸内細菌叢をターゲットとした治療法としても、栄養療法は注目されているところである。

さて、本書では、炎症性腸疾患の病態、内科治療外科治療について解説されており、さらには栄養療法の新しいエビデンスや論文も紹介されている。

我々が、n-3/n-6比を0.5としたクローン病食(現在はIBD食)を導入したのは1990年代後半であるが、本書では炎症性腸疾患の遺伝子多型とn-3/n-6比の感受性との関連まで解説されているのには感銘を受けた。

本書は、医師による科学的エビデンスに基づいた解説と、実際に栄養指導を行う立場の管理栄養士による解説とが見事にマッチしている。

炎症性腸疾患患者に栄養療法をおこなう管理栄養士はもちろんのこと、炎症性腸疾患の診療にあたる全ての医師に是非読んでいただきたい一書である。

佐々木 雅也先生

(滋賀医科大学医学部看護学科基礎看護学講座(生化・栄養)教授、滋賀医科大学医学部附属病院栄養治療部部長)

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