コラム

高血圧を知ろう!~あなたの血圧は大丈夫?~

みなさん、こんにちは。

寒い日が多くなりましたね。

コートを身に着けたり、こたつを出したりと冬支度を少しずつ始める季節となりました。

 

こんな季節に「寒くなると血圧が高くなる?!」そんな話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

当院でも高血圧症の治療で受診してくださっている患者さんもいます。

今回は血圧についてのお話をしていきたいと思います。

 

1.血圧とは?

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す圧力のことです。

また最高血圧(上の血圧)は心臓が血液を送り出すために心臓の筋肉をぎゅっと収縮させたときの血圧のことをいいます。

一方で最低血圧(下の血圧)とは次に送り出す血液をため込むために心臓の筋肉が広がったときに血管にかかる圧力のことをいいます。

 

<高血圧症とは>

高血圧というのは血圧が高い状態のことです。たまたま測った血圧が高いときには高血圧とは言えますが、まだ「高血圧症」とは言い切れません。くり返し測っても血圧が常に正常より高い場合、医師の診断のもと高血圧症と判断されます。

 

分類

診察室血圧(mmHg)

家庭血圧(mmHg)

最高血圧

最低血圧

最高血圧

最低血圧

正常血圧

<120かつ<80

<115かつ<75

正常高値血圧

120-129かつ<80

115-124かつ<75

高値血圧

130-139かつ/または80-89

125-134かつ/または75-84

Ⅰ度高血圧

140-159かつ/または90-99

135-144かつ/または85-89

Ⅱ度高血圧

160-179かつ/または100-109

145-159かつ/または90-99

Ⅲ度高血圧

≧180かつ/または≧110

≧160かつ/または≧100

(出典 #1.)

まずは血圧が140/90mmHgを超えないようにして徐々に正常な血圧にしていくのが理想的です。

 

2.高血圧症による合併症

高血圧症は自覚がなく静かに進行します。

血圧が高いと

・心不全、狭心症、心筋梗塞などの心血管障害

・脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害

・腎硬化症、腎不全などの腎機能障害

など様々な合併症を引き起こすことがあります。

 

3.日常生活で予防しよう

日常で取り組める生活上のポイントを紹介します。

 

(1) 塩分の摂りすぎには注意しよう

塩分を取りすぎると体内に水分が蓄積し、血流を増加させることにより血圧が上昇します。

1日6g未満の摂取が推奨されています。

 

(2) 寒さについて

暖かいところから急に寒いところに出ると血管が収縮し、血圧が上がります。

特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくしましょう。

例えば、外に出る時の防寒をしっかりして露出部分を少なくすると良いです。

 

(3) 十分な睡眠をとりましょう

日々仕事や家事、育児など疲労やストレスが溜まってしまうものです。

規則正しい生活を送り休養を十分にとり疲れを残さないことも大切です。

 

(4) たばこ

「百害あって一利なし」とも言われているたばこは高血圧の天敵です。

喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりだけではなく、血管の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり動脈硬化の原因になります。

 

(5) お酒

1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20~30mlまで、女性はその半分までが適量です。

適度に楽しむ程度にしましょう。

 

(6) 肥満

太りすぎは血圧を上げ、心臓にも負担がかかります。男女ともにBMIは25未満を目指しましょう。

 

(7) 家庭でも血圧測定を行う

毎日の血圧を測定することで日々の変化を自分自身でも確認しましょう。

 

 

4.食事のポイント

実際にどんな食事を心がけたらいいでしょうか。 簡単に出来そうな食事のコツを紹介します。

・減塩の調味料を使う

・ソースや醤油はかけて食べるよりも、つけて食べる(使用量が減ります)

・麺類の汁は全部飲まない

・加工食品は塩分が多いので控える

・ゆずやすだち、レモンなどの酸味、カレー粉などの香辛料、しそ・ネギなどの薬味をうまく活用するして調味料を減らす

・ごま油、オリーブオイルなど風味のある油を使う

・野菜やフルーツに含まれるカリウムやマグネシウムなどには血圧を下げる効果があるので積極的に取り入れる

いくつか食事のポイントを紹介しました。すぐ出来そうと思えるものは取り入れてみてください!

しかし、一人一人のライフスタイル、食事の状況など様々だと思います。

自分の食生活はどうかな?もっと具体的に減塩の方法を知りたい!などありましたら

当院には管理栄養士が在籍しておりますので個別にご相談承ります。 ぜひご活用ください。

 

<出典>

#1. 日本高血圧学会 高血圧ガイドライン2019より一部変更

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